学校行事

香港グローバルシチズンキャンプ2016

今年8月16日(火)~22日(月)、大阪YMCAと香港中華YMCA、そして今年から台湾YMCAも加わり開催された香港グローバルシチズンキャンプ。今年は学院高校やIHSの生徒、そして国際専門学校に通う留学生も含めた総勢14名で参加しました。香港・台湾・日本からの参加者が、6泊7日寝食を共にし、ワークショップや文化紹介など様々な活動を通して交流することで、海外旅行では味わえない、様々な学びがありました。生活習慣や食事、相手の価値観や考え方をただ「知る」のではなく実際に「経験」することで、異文化に身をおくということの苦しさや辛さ、楽しさや喜び、その中で自分がどう変化していくのかも含めて、このプログラムに参加した者しか得られない、貴重な経験ができたのではないかと思います。

日本からの参加者一団は、6月から準備を始めました。学習会は通算なんと5回!1回目の学習会では、自己紹介をしたり、香港や台湾の生活を知るために国際専門学校に通う学生をゲストとして招き、香港や台湾の文化を教えてもらいました。第2回目の学習会では、日本文化として紹介するためにワイズメンズクラブの方々から茶道を学びました。おいしいだけじゃない、奥の深い茶道の世界に全員が感銘を受けました。

第3回目の学習会では、当日のスケジュールの確認と、様々なアクティビティのチーム分けを行い、第4回目の学習会でそれぞれ準備を進めました。第3回目の学習会の後は、懇親会を行い、交流を深めました。最後の学習会では、現地でふるまう日本料理(お好み焼き・手巻きずし・ソーメン)を作る練習をしました。全員がそろうことは難しかったですが、この5回で日本チームとして団結することができました。 

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そして迎えた当日!台風が近づいていたため荒天のためのスケジュール変更が多くありましたが、なんとかついていきながら、徐々に環境にも慣れ、日が経つにつれ楽しむことができるようになってきました。

1日目の歓迎会では、グループ対抗借り物ゲームなどをして交流しました。初めてであった仲間とのやりとりや日本と勝手の違うゲームのルールにはじめは戸惑いましたが、徐々に慣れていきました。

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2日目はグループになって自己紹介したり、各地域の遊びをしたりしました。台風近づく荒天の中行った水風船投げ大会は、日本では味わえないハードなものでしたが、参加者はとても楽しんでいました。

自己紹介1.jpg 自己紹介2.jpg 水風船投げ.jpg

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午後は互いの文化の紹介を行いました。香港チームからは、この時期に作る願いの短冊とオレンジのマスコットづくり、台湾チームからは、お祝いの時に飾る漢字の切り絵を教えてもらいました。日本チームは茶道を紹介し、和の心とお茶の飲み方を説明した後、実際に八つ橋と抹茶を味わってもらいました。

ブットさん喜喜.jpg オレンジウィッシュ.jpg yorokobiyorokobi.jpg

茶道1.jpg 茶道2.jpg 喫茶.jpg

夜はグローバルシチズンシップワークショップとして、生きるのに必要なものの優先順位を決めるゲームや、各地域の伝統的な文化を保存するための政策についてのプレゼンを行いました。

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3日目は香港博物館に行って香港の歴史や文化を学んだり、本格的な飲茶を食べに行きました。

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4日目はスタンレーという場所でグループごとにミッションをこなしながらの観光をしました。そしてこの日の夜に文化交流会を行い、各地域の伝統料理をふるまったり、各国の文化の紹介として、歌やダンスを披露しました。日本チームは「しあわせなら手をたたこう」を紹介しました。 

海辺でジャンプ.jpg スタンレーガールズ.jpgcultural night.jpg しあわせなら.jpg 手をたたこう.jpg


5日目は香港チームによるガイドツアーに行きました。現地の方によるガイドにより、楽しく勉強できたことはもちろん、香港という新旧の多文化が入り混じる場所は、歩くだけでもエキサイティングでした。

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翌日は自由行動ということで、この日にフェアウェルパーティー(お別れ会)をしました。各地域の代表がこの旅で感じたことや学んだことを語り合い、このプログラムのまとめを行いました。パーティーの後はナイトマーケット(夜市)に繰り出し、夜の香港の街を堪能しました。

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6日目は自由行動で、都心部や地元の市場に行きました。夜は夜景のきれいな港に行ってベイサイドショーを観たり、フェリーでの夜景鑑賞も楽しみました。

     

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7日目は帰国するのみとなりましたが、たくさんの香港チームの参加者がお見送りに来てくれました。台湾チームとは空港で最後の最後まで別れを惜しみながらの出国となりました。


言語の壁もあり、始めはなかなか香港や台湾のメンバーと交流するのが難しかったメンバーも多くいましたが、「日本と違って、こちらではちゃんと意見を言わないと自分の気持ちを知ってもらえない」ということに気づき、徐々に行動を変えていきました。「自分の常識で考えるのをやめよう」、「相手の文化を認めよう」、そう決めた時から、少しずつ香港や台湾のメンバーの交流が増えていきました。今回、いざ意見を言おうとしても英語で言わなくてはならないので、それがとてもストレスでもありましたが、「とにかく伝えなければ」という気持ちから、何とかコミュニケーションを取れるようになっていきました。

そして今回のプログラムでは、香港の歴史についても深く知ることができました。香港博物館で、香港育ちのメンバーから直接歴史解説をしてもらったり、観光に言った先々でその場所の歴史や現状を教えてもらいました。他国の歴史をこんなに丁寧に学ぶ機会はなかなかないと思います。香港博物館の日本の植民地支配時代の展示を見る際は、言葉を失うメンバーもいたり、ただシンプルに「Sorry」と伝えるメンバーもおり、昨今歴史問題をめぐって日中の対立がメディアによって報じられる中、共に歴史を共有するという貴重な経験もすることができました。

香港や台湾のメンバーと交流する中で、私たちはたくさんの「違い」を知りましたが、それと同時に、たくさんの共通点も見出すことができました。同じマンガや歌手が好きだったり、同じようなことで悩んでいたり、笑いのツボが一緒だったりと、文化は違っても同じ人間としての共通点をたくさん見つけることができました。そして、長い時間を一緒に過ごすことでその人の人柄がわかり、相手の優しさにふれたり、共通の経験を通して笑い合う中で、言葉の壁を超えた友情を築くことができました。徐々に相手を理解していくという体験は日本でもできることではありますが、彼らのように互いに異なる文化的背景を持つ者同士がわかり合うという経験ができたということは、引いては世界平和の一助となるのではないかと思います。

現在、香港グローバルシチズンキャンプの参加者は、報告書の作成中です。個々人の思いを作成するために、各自がこの旅のまとめを作成することにしました。完成を楽しみにしていてくださいね!

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