学校行事
'08 総合学習 『部落問題から社会をみる、自分をみる』

1/28(水)~30(金)、2/2(月)の4日間、本校(通信制・単位制のYMCA学院高等学校)の「総合的な学習の時間」が行われました。今年度(後期)の「総合学習」もボーリング、裁判員制度、証券取引、サーミの紐織り、宮沢賢治、絵本、手話・・・とバラエティに富んでいます。 その一環で、1/30(金)に『部落問題から社会をみる、自分をみる』の講座が行われました。詳細は、本校の理科教員の鮫島一泰さんです。その報告文と参加生徒の感想をご覧ください。

【鮫島さんからのメッセージ】
部落問題をテーマにした本講座は4時間の授業とレポート3枚で構成されています。
(1時間目)
全員で円になって自己紹介からスタートです。事前レポートの内容を発表してもらいながら進めました。部落問題についてはウィキペディアで調べてきた人が多く、間違った内容もあったので、インターネットの情報をすぐに信用しないということも学びました。
後半は、「自分が差別されたと感じたこと」&「自分が差別したと感じたこと」について話してもらいました。「自分のことを振り返るきっかけになった」と感想に書いてくれた生徒さんもいました。
(2時間目)
部落問題と結婚についてのドキュメンタリー(ダイジェスト版)を見ました。1973年のものと1999年のものを比較して、「変わったこと・変わらないこと」を書いてもらいました。
「偏見は明治以前と変わらない」「少しずつだけど部落差別はなくなってきているように感じます」「江戸時代からもう何百年も経っているというのに、いつまでもねちっこくしつこく部落差別をする偏見を持った人が根強くいるということ。そして、それに対して闘う人がいてるということ」などなど…生徒さんの意見はさまざまでした。
(3時間目)
3時間目はグループワークです。4つのグループに分かれ、1・2時間目で学習したことをもとに、部落問題について結婚がうまくいく場合、結婚がいまくいかない場合の様々な原因を出し合って「なんでもマップ」(下図)を作成してもらいました。最後に各グループ5分ずつ発表してもらいましたが、なかなか難しかったかな?
(4時間目)
最後は私と部落問題との関わりを少し説明して、そのあと部落出身の高校生4人からの手紙に返事を書いてもらいました。「部落出身の人の手紙は、ほんまの声が聞けてよかった」「部落出身者やからかわいそうとかは、相手にとっても失礼やと思う、だからへんに書けない」などそれぞれの生徒さんがいろんな感じ方をしていました。部落出身と向き合っている高校生と「会話」することは貴重な経験になったと思います。
本講座には、「答え」はありませんし「結論」もありません。「部落問題を学べてよかった。なんだかんだで楽しかった。また学ぶ機会があれば参加したい。」ある生徒さんの感想です。楽しく学ぶことも大切なんだと思いました。

【参加生徒の感想】
・皆の意見をきいて、とても勉強になりました。
・部落問題を学べてよかった。なんだかんだで楽しかった。また学ぶ機会があれば参加したい。
・自分が思ってた部落問題とは思ったよりちがった。でももっと世間の理解が深まるのを願っています。
・普段学ぶことができない部落問題について学ぶ事ができてよかったです。
・差別は人の人生を左右してくるし、できるだけしない方がいいと思う。
・部落問題なんて難しそうと思ってたけど、前向きに考えようと思いました。
・部落出身の人たちの手紙みて思ったのは、部落出身だけで就職とか結婚とかまでにひびいたりすんねやーって思った。自分は部落じゃないからわからんけど、今でも差別されてる人は他にどんな事されて苦しんでんねやろって思ったし、もっと部落のことについて知りたいって思った。