学校行事

'08 総合学習 『音のない世界』

  1/28(水)~30(金)、2/2(月)の4日間、本校(通信制・単位制のYMCA学院高等学校)の「総合的な学習の時間」を実施しました。その一環で、2/2(月)に『音のない世界』の講座が行われました。講師は、本校職員の吉田亜衣さん。その報告と参加生徒の感想をご覧ください。

【吉田さんからのメッセージ】

「ベストコミュニケーション」


 1限では、生徒に私のことをまず知ってもらう為に、私の「おいたち」についてのレジュメを読んで感想を書いてもらいました。聾学校の幼稚部から普通の小・中・高・大学に通い、耳が不自由な私を支えてくれた友達や先生、家族・・・たくさんの人と共に成長していったことをレジュメに書きました。
ある生徒の感想、「読んで思ったのは、友達の大切さ!!自分を理解してくれる友達っていいですよね。というか自分を理解してくれて初めての友達になるんやろな」とかいてくれたように、相手を知ろうとする心が人と人のつながりを深めていく潤滑油になると思います。

 2限では、その潤滑油を高めていく為に、手話レッスン「あいさつ」「自己紹介」などの手話を伝授しました。そして一人ひとりと手話で会話をしました。例えば、「あなたの好きな食べ物はなに?」 「うどんです。」、「あなたの趣味はなに?」 「私の趣味は寝ることです」などなどです。

 3限は、手話レッスン「家族」の手話を伝授しました。例えば、「あなたの家族は何人ですか?」 「私の家族は父と母と私と弟2人の5人家族です」。これを応用し、サザエさん一家で例えば「あなたはサザエさんです。波平はあなたにとってなにですか?」 「父です」という風に練習しました。

 4限は、1.ジェスチャーカルタと2.伝ジェスチャーゲームをして表現力をブラッシュアップ!!1は、普通のカルタと同じように絵カードを机の上にばらまいておく。7、8人で1グループになり、ひとりが絵カードの絵を体を使って表し、他の人はそれを見てなんの絵かを考え、「これ」と思う絵カードを取る。ローテーションで一人ひとりがそれをジェスチャーで表現していく難易度の高いゲームです。みんな最初は恥ずかしがっていたのですが、慣れてくるとだんだん盛り上がってきました。「もう一回やろう!」といって第2ラウンドに突入するグループもでてきました。

 時間があまったので、「伝ジェスチャーゲーム」も導入。これは基本的には「伝言ゲーム」と同じやり方です。ただ、テーマはジェスチャーで表現し、後ろの人は次の人へと伝えていきます。例えば、「桃太郎」、「世界のなべあつ」など。このゲームでも生徒は大盛況!!

 これらのゲームの目的は、相手に伝えたいことを伝えようとするときに使うコミュニケーション手段のひとつとして知ってもらうことです。また、相手が何を伝えようとしているのかを考えることも大切です。耳がきこえない人や目がみえない人、様々な障がいを持った人たちがいます。社会の中で彼らと一緒に何かをしようとするとき、一人ひとりにあったベストコミュニケーションを考えることがとても大事です。これは、障がいを持つ・持たないに関わらずすべての人にとっても必要なことだと私は思っています。

本校職員 吉田 亜衣

☆写真→「YMCA」はアルファベッドの指文字「Y」と「M」をくっつけて表します。
     むずかしい人は、体を使って「Y」「M」「C」「A」と表してくださいね

【参加生徒の感想】

  • 耳のきこえない人とコミュニケーションが取れる方法がたくさんあることを知りました。手話は覚えやすかったです。
  • 思ったよりジェスチャーは難しかった!
  • 言葉では伝わらないけど、ジェスチャーや手話などでコミュニケーションが取れるし、言いたいことが伝わるんだなぁって、おもしろいなぁと思った!ジェスチャーゲームが楽しかった。
  • ゲームで感じたんやけどジェスチャーってめっちゃ難しい。声使われへんのってなんかイライラするし、歯がゆいわぁ。
  • 耳がきこえなくてもあそべるゲームやその人とのふれあいが方があると思った。ジェスチャーも人につたえる時、体だけだと難しいなんて思ってなくてビックリした。でも楽しかったです。
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ジェスチャーカルタの絵カード