新型コロナウイルス感染拡大防止のために高校生に願うこと

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(内容全文)

春。新入生、転編入生を迎え入れる私たちは、生徒たちと同じようにドキドキワクワクの季節です。しかし、今年は世界中が大きな試練の時です。今、高校生の皆さんに願い求めることは、新型コロナウイルス感染をこれ以上拡大させないための意識を持つことと個々の責任ある行動です。

◆まず意識 「たぶん、自分はかからないから・・」とか「かかってもたいしたことにならない」という考え方は捨ててください。家族、地域に住む高齢者、持病をもっている人たちを想像し、自身が社会の一員であることを自覚してください。

この混乱の中で、今私たちが取り組むべきことは「感染拡大のスローダウン(感染拡大を遅らせること)」です。その事で医療現場の急激な負担を減らすことができ、より多くの命を救う事ができます。

◆そして行動 感染拡大防止のために、あなた自身が次のことを実践してください。まずは手洗いの徹底。トイレ後に限らず、今まで以上こまめに手洗いをすること。咳やくしゃみなどはマスクや布地で口を押えるなどをして飛沫を飛ばさないこと。車内や閉ざされた空間では大声で話をしても飛沫は飛びます。一人ひとりが正しい知識を持ち、心がけて行動に移すことで拡大が防止されます。

◆危機に瀕して、様々な人の様々な意見があります。中には、どこの国が悪いとか、感染した人を責め、誹謗中傷する動きがあります。誰もがその当事者になる可能性があります。次は、あなたの番かもしれません。非難は何の意味も発展性もありません。皆さんには一部の意見をうのみにせず、自分で調べ、考え、その上で行動してほしいと思います。

国連難民高等弁務官の故緒方貞子さんは「人間の安全保障とは、世界中の一人ひとりが国際社会を支えることで、生存や生活、尊厳に対する脅威(偏見や差別)から守る、という考え方です」と言われました。人類が力をあわせて感染を少しでも食い止めることが、今、最も重要です。

◆新型コロナウイルスによる混乱は、長丁場が予想されます。日常生活において「気は抜かない、でも気持ちをふさがない」。そして、「どのように過ごすことが適切か」「社会に対してどんなことができるか」を、私たちも考えています。皆さんも社会の一員として出来る事を想像し、一緒に考えてほしいと思います。そして協働して国際社会を支えて行きましょう。

世界中で多くの方が亡くなり、心が痛みます。イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏は「もしこの感染症の大流行が人類の不和と不信を募らせるなら、それはこのウイルスにとって最大の勝利となるだろう。逆に、この大流行からより緊密な国際協力が生じれば、それは新型コロナウイルスに対する勝利だけではなく、将来現れるあらゆる病原体に対しての勝利になるだろう」と言っています。

高校生の皆さんにとって、家族や周囲の人々、日本、そして世界中の国々に想いを馳せ、人類を想う大切な機会となり、学びと実践の機会になることを願っています

 ◆本校は、文部科学省の通達・指針により方針を定めていきます。刻々と状況が変わりますが、生徒のみなさんにも教職員にも安心・安全な場を提供したいと考え、三密(換気の希薄な場、密度の高い場、近い会話)を最大限避けていきます。そして不安に思っている人に対してのサポートも考えています。生徒の皆さんの理解と協力をお願いします。

聖句「皆、勝手なことを言わず、仲たがいせず、心を一つにし思いを一つにして、固く結び合いなさい」(コリントの信徒への手紙:1章10節)

                            校長 鍛治田千文